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ネットゲームをやろう その四 ~リアルマネーで勝利を目指すよ~

 

 三日目となると、ラムリーザはもう三人の様子を気にすることはやめた。

 とりあえず一週間後に勝つ、そして止めるよう命令する、ということだけを考えることにした。

 だが、二日遅れでの開始である。普通にやったのでは勝てないだろう。

 その時、リゲルが昨日言った、「金出しておけばそれでいいゲーム」という言葉を思い出した。

 金か……。

 そこで、より効率よくお金を掛けるために、ゲームのシステムをより深く確認することにした。

 

 

 まず、名将システム。

 このゲームは、主人公と五人の名将が一つのグループとなって戦う仕組みになっている。

 つまり、名将は五人選べて、得るために必要な物は名声と将令というアイテムである。そして、名声を高めることによって、より上位の名将を得ることができるのだ。

 現在ラムリーザが所持している名将は、「鮑三娘」というキャラのみである。

 名将雇用システムを開いてみると、現在の名声二千では、黄忠、陳宮、魏延、賈詡を得ることができるようだ。

 勝つためには、より強力な名将を集める必要があるだろう。

 そこで他の三人はどうなのだろうと思い、同盟メンバーを開いてみる。

 一番名声が多いのはリリスで、六万を超えている。六万名声あれば、一ランク上の、甘寧と水鏡先生を得ることができる。

 ということは、現在この辺りを所持していることになるだろう。

「普通にやったのでは追いつけないな……」

 名将は三人には追いつけないと思ったが、いろいろと調べてみると名将の中に「封神名将」というものが存在することに気がついた。

 封神名将とは、封神演義に登場するキャラクターで、分類は神仙にあたるようだ。そしてこの封神名将は、現在獲得できる名将とは比べ物にならないぐらいの能力を持っている。

 これらの封神名将を得るためには、名声は必要ではなく、その代わり特殊将令という物が必要なだけのようだった。さらに調べると、この特殊将令は、四神ガチャというものをすれば手に入るのだ。さらに、その四神ガチャをするためには「オーブ」というアイテムが必要で、そのオーブは「現金」を使ってチャージするという仕組みになっていた。

 現金か……リゲルの言う通り金を出しておけば……か。ラムリーザはチラリと三人を見て思った。

 日増しにヤバさが増してきている。こいつらの暴走を止めるためなら……。

 ラムリーザは現金をチャージして、ひたすら四神ガチャを回すのであった。

 

 チャージとガチャをしばらく繰り返すことで、ラムリーザは、姜子牙、周の文王、李靖、燃灯道人、妲己の五人を得ることができた。

 これで名将は五人揃った。次はレベル上げだ。

 レベルを上げるのに必要な経験値は、主に日々のクエストと迷宮挑戦、モンスター狩りだ。

 そして入手経験値的には、クエストが最も多く、次に迷宮挑戦であり、モンスター狩りはまさに地道な作業と言えるようだ。

 ただし、クエストは一日にできる回数が十回と決まっていて、十回やるとクエストは終了してしまう。迷宮は、回数制限は無いようだが、行動力が無くなると行くことはできなくなる。この行動力というものは、クエストを実行しても減っていくようだ。そして行動力がなくなると、後は地道なモンスター狩りしかやることがなくなる。

 だが、ここでもまた先程使用したアイテムである「オーブ」が生きてくる。

 オーブを使用することで、クエストの回数を増やせたり、行動力の回復もできるようになるのだ。

 ラムリーザは、出遅れた分を取り戻すために、ここでもオーブを使用してクエストの回数を増やしたり、行動力を回復したりして経験値を稼ぐことにした。回数を増やすごとに、行動力を回復するごとに必要なオーブが増えていっているが、ここは気にしないでおいた。

 

 さらに、四神スロットというものがある。

 ラムリーザが、これは何のためにあるのかということを調べると、装備――武器、上着、ズボン、帽子、手袋、アクセサリーの六ヶ所――に宝石をはめ込んで、主人公を強化できるということがわかった。そして、その宝石を入手する手段が、その四神スロットというものなのだ。

 これはそれほど重要じゃないかな……と考えたが、ふと思った。

 ひょっとしたら金を掛けて入手した、強力な封神名将に文句をつけてきて一騎打ちで勝負だとか言ってくるかもしれない。特にソニア辺りが……。

 というわけで、主人公の強化も行っておくことにした。

 強化できる項目は、攻撃力、体力、守備、命中、回避、CRの六項目のようだ。

 それぞれ固有の宝石が対応しているようだ。また、宝石にはレベル設定があって、同じ種類、同じレベルの宝石を三つ合成することで、宝石のレベルを上げることができるのだ。

 例えば攻撃力の宝石レベル1では、上昇数が10であるが、三つ揃えてレベル2にすると、一つ当たりの上昇数が30になる、といった具合である。

 

 まずCR、クリティカル発生率は現在ラムリーザのキャラは「3.7%」と表示されている。これをCRの上がる効果を持った宝石を付けることで、クリティカル発生率を高めることができるということだ。そして、この値が100%を超えたとき、常時クリティカル攻撃となり、相手により大きなダメージを与えることができるということになるのだ。

 そこで、ラムリーザはまずこの値を伸ばすことを考えた。

 それ以外はどうするか……というより、宝石は六箇所の装備にそろぞれ三個ずつ付けることができる。そして、個々の装備それぞれには、同じ種類の宝石は付けることができないようだ。

 ラムリーザは考える。さて、どう組み合わせるか……。

 とりあえず「CR100%」を目指すとして、命中と回避……。そこで、ひょっとして相手の命中を回避で上回ることができれば、攻撃が当たらないのでは? と思いついた。

 そこで三人の命中は――と思ったが、同盟一覧からではそこまでの詳細ステータスはわからなかった。だが、フレンド一覧から、それぞれのキャラクターの装備を確認することができた。そこから、それぞれどの宝石を付けているかの確認ができたのだ。

 その情報から判断すると、三人の命中は、だいたい「180~200」前後であると推定できた。

 となると、三人の今後の成長を計算しても、回避は「300」を超えるぐらいあれば万全だなと判断できた。

 ちなみに四神スロットは、ログイン時間に応じてもらえるアイテムや、日々のクエストの一部をこなすことで入手できる「聖獣石」というアイテムを消費して回すようだ。

 だがそれ以外の方法で、ここでも「オーブ」を使って回すことができるようだ。

 ということでラムリーザは、宝石を入手するために、四神スロットを宝玉を使って回し続けるのであった。

 入手しては組み合わせて宝石レベルを上げ、さらに入手して上げて、入手して上げて……。

 オーブが足りなくなれば、さらに追加で現金を投入する。我ながら何をやってんだか、と思いながらも、三人を現実世界に引き戻すための投資だと割り切って、どんどん進めていくのであった。

 

 

 そんなこんなで、ゲームでキャラクターを強化したりするだけで一日が過ぎようとしていた。

 三人と会話は無い……、ゲーム内のメッセンジャーでは会話しているようだが。実際、メッセージボックスにはチャットのログがどんどん流れていっている。

 ユコなどは、チャットで「パフェ食べたい」とか言ってるし……。

 だったらゲーム中毒やってないで、普通に食いに行けよとか思う。

 ラムリーザが、何か臭うな……と思ったら、それは目の前の席に居るユコの体臭であった。こいつも入浴放棄しているのかよ……。

 勝負は一週間後と言っていたから、後三日。

 後三日の辛抱だ、とラムリーザは思うのであった。

 だが、そろそろ夜寝るときに、いつもなら抱いているソニアの柔らかい身体が恋しくなったりしていたりするのだった。

 その一方で、風呂入ってないから近くで抱きしめたら臭いだろうな、とか思ってたりしていた。

 

 おまけ話。

 夜、下宿先の屋敷に帰った後もプレイしていたら、レイド戦なるものがあったりした。ゲームをプレイしている人が大勢集まって、巨大なボスを倒すというものだ。

 ゲーム内のチャットでリリスに誘われたりしたものだから、ラムリーザもなんとなく参加してみたりした。どうやらボスは三国志名将の張飛のようだ。

 まあよい、と思って何気なく参加してみたところ……。

レイド戦結果

 なんとラムリーザは、戦績一位になってしまい、さらにフィニッシュまで掻っ攫っていってしまった。

「おおっと」

 思わず呟いていた。ちょっとやりすぎたかな、とか考えてしまう。

 チャットでは、リリスやユコが「おめでと~」とか送ってくる。

 ソニアもチャットで「え~、ラム強すぎない? これやばくない?」とか送ってきた。ただし同じ部屋、同じテーブル、目の前の席に座っているのに、現実世界では一言も発しない。

 試しにラムリーザが、「おい、ソニア」と声をかけてみたが、思ったとおりゲーム内のチャットで「なぁに、ラム」と返ってくるのだった。

 これはもう重症だ。

 ラムリーザは、とにかく一週間後、つまりあと三日後を待つだけにすることにした。

 イベントで好成績を残せたということは、順調に育っているということだろう。

 ソニアは徹夜でプレイするみたいなので、ラムリーザは今日も一人で大きなベッドに入ったというところで、今日はおしまい。

 
 
 
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