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爆乳過ぎて水着もまともに着こなせなかったりする放課後
- 公開日:2016年6月3日
6月3日――
この日、授業が全て終わった後のショートホームルームで、担任からの通達があった。
内容は、来週プール開きをするので、水着を各自準備しておくように、とのことだった。この学校には、指定のスクール水着もあったが、常識の範囲内で水着の選択は自由に、とのことらしい。
そこで放課後になってから、ラムリーザ達は水着を用意するために、購買部に向かっていた。
「水着かぁ、常識の範囲内ってなんだろうね?」
「レコードビキニとかはダメってことじゃないかな?」
水着の話を始めたソニアとリリスだが、リリスはレコードビキニなる謎の物を提示してきた。ラムリーザは、そのような物は聞いたことが無い。
「何それ?」
「ブラの所がレコードになっているビキニで、レコードの穴から乳首だけ出して着るのよ」
「そんなの着る人って、変態さんじゃない……」
などと話をしながら先頭を歩いているのが、新しく結成したバンドユニット『ラムリーズ』で、リードとベースのギターを操る二枚看板娘。ラムリーザ的には、物語で言えばダブルヒロインの主役扱いだ。
「水着ね、あんまり着た事ないから恥ずかしいかな?」
「そうですわね……」
などと、少し恥じらいを見せているように話しながら、ユコとロザリーンが続く。控えめの二人は、『ラムリーズ』の鍵盤楽器担当。表には出ずに、主にコーラス担当でもあり、物語で言えば脇役となってしまうかもしれない。
「なあ、俺達ついて行く必要あるのか?」
「いやまぁ、僕もついでだから買おうかなー、とか。いや、いらんかな。たぶん去年の入ると思う」
「ふむ……」
そして最後尾に『ラムリーズ』の裏方二人、ラムリーザとリゲルが、女子達の付き添いという形でついてきている。裏方と言っても、一応ラムリーザがグループのリーダーだけどね。
校舎内の移動中、階段に差し掛かると、ソニアはいつもの変わった動きを見せるのだ。
「そういえばいつも思ってたけど、ソニアって階段下りるとき、毎回壁を背にするのかしらね?」
リリスが含みのある笑みを浮かべてソニアを見ながら問いかける。
「す、好き好きよ! 階段見たらじんましんが出るから背中が痒くなるのよ! 決してむ――無意味なことしてんじゃないからねっ!」
大きな胸を押さえて横歩きで階段を下りながら、ソニアはリリスによく分からない意見を投げつける。しかしリリスは、わずかに言いかけた言葉を見逃さなかった。
「決してむ? 胸?」
「うるさい! こっち見んな!」
そんな様子を見て、リゲルは嘲笑するように「ふっ」と鼻を鳴らすのであった。
購買部で売っている女子用の水着は、ワンピースタイプだった。
そこで、グラマー体型のリリスはそこで売ってある一番大きいサイズ、Lサイズを手にとって試着室に向かっていった。
それを見たソニアも、同じものを手にとって試着室に向かう。
「あの二人はLサイズって感じだけど、私達はMサイズでいいかな」
そう言って、Mサイズの水着を手にとるユコとロザリーン。ただ、試着室は二つしかないので、そのまま待っている。
一方、腹減ったなとか言いながら、まだ売れ残っていたパンを購入して食べているラムリーザとリゲル。まあ、普通にまったりとした買い物風景である。
「いかがかしら?」
試着室から先に出てきたのはリリスだった。
「ちょっと胸がきついかな……、でもまあこれでいいわ。ラムリーザ、リゲル、ごらんなさい」
リリスお得意の誘惑が始まった。二人の方に歩いていって、魅惑的な瞳で手招きしてみせる。
盛り上がった胸、くびれた腰、いい形の尻。そして、靴下を脱いでいないので、スクール水着とサイハイソックスの組み合わせなのだ。普段あまり見ることのできない貴重なシーンであろう。
「どう? 感想は?」
「スゴクニアッテマスネ」
「何故片言なのかしら?」
ぎこちない感じになってしまったが、とりあえず感想を述べたラムリーザと、あごに手を当てて黙ったままのリゲル。
その二人の様子を見て、リリスは残念そうにふぅとため息を吐く。
「クールなリゲルに、ソニアじゃないとダメなラムリーザか……」
そのソニアが、まだ試着室から出てこないのだ。彼女が着替えるのが遅いということは、一緒に暮らしているラムリーザ以外は知らないかもしれないというのがあるが、リリスは自分にあまり興味を示してくれなかったというのもあり、もたもたしているソニアにいらついたように声をかけた。
「ソニア、いつまでかかってるのよ」
「え、あ、その……」
中からは、ソニアの慌てたような声が聞こえる。
ちょっとイライラしている感じで、リリスはソニアの入っている試着室に近づいていった。
その時、ラムリーザはあることに気がついた。リリスの胸が、結構ギリギリで収まっているという状態なのだ。ギリギリ……そう、つまりそれはソニアにとっては……。
「何をやっているの、ラムリーザが待ってるよ。開けるよ」
「あ、やめ! 待って!」
ソニアは悲鳴を上げるが、ラムリーザとリゲルのつれない態度が気に入らなかったリリスは、有無を言わせず試着室のカーテンを開けた。
中で、ソニアは水着を身体に通してはいた。だがしかし、残念な事に胸が入っていない。入りきらないというべきか、ワンピース型の水着は、胸の下までしか上がっていないのだ。ソニアの大きな胸があらわになっている。
「こほん……」「ぶふぉっ」
咳払いして目を逸らすリゲルと、思わず食べていたパンを噴出してしまうラムリーザ。
「ちょっ、何すんのやめてよ!」
そう怒鳴ってカーテンを慌てて閉めるソニア。
「あーもう! 胸が入らない最悪!」
中から、ソニアの半分涙声な叫び声が響いてくる。
リリスは、ラムリーザ達の方を振り返って、てへっと肩をすくめてみせるのだった。
放課後というのもあって、周囲にあまり人が居なかったのは、ソニアにとって不幸中の幸いであろうか。
「まあ、なんだそのぉ、明日の休みにでも街に水着買いに行ってきたらいい……」
「そうね、そうしましょう。私もスクール水着じゃ物足りないし」
ラムリーザの提案に、リリスは賛同するのであった。物足りないと言っても、常識の範囲内で選ぶように。もっとも、ソニアぐらいになると、ワンピースタイプは無理だろうが……。
「いや待って、やっぱり今日これから行きましょう」
突然リリスは先程の意見を覆して、買い物に行くことを提案してきた。
というわけでラムリーザは、ソニアと別れて一人で屋敷に帰るのであった。
その夜――
ラムリーザは、いつものように入浴後、バルコニーに出てリクライニングチェアに転がって夜風に当たっていた。
そこに、後から風呂に入っていたソニアが出てきて、バスタオルを巻いたままの姿でラムリーザの前に現れたのだ。もっとも、ラムリーザもバスローブのままなので、それほど違いがあるわけではない。
「らーむ、面白い物見せてあげようか」
「いきなりはだけなくてもいいからね」
ラムリーザは、ソニアがバスタオルを脱ぎ捨てようとしていると思って、先に釘を刺しておいた。いくらいつもベタベタしている関係とはいえ、一定の恥じらいを持ってくれなければ困るところがある。
「なによー、せっかくいい物を見せてあげようと思ったのに」
「さっきは面白い物っていったよね?」
いい物と面白い物とでは天と地程の開きはないが、そこに潜む危険のようなものを感じたのだ。
「それではソニア、脱ぎます!」
「こら! ――って、何を――っ?!」
しかしソニアは、ラムリーザが止めるのを無視して、バスタオルを放り投げてしまった。
思わず目を閉じてしまったラムリーザだったが、ソニアがその場から動こうとしないので、恐る恐る目を開けることとなった。そこには――
「み、水着を着ているなら先にそう言えよ!」
ソニアは、バスタオルの下に水着を着ていたのだ。恐らく今日買ってきた物だろう。
「へっへーん、どうだ。びっくりしただろう」
どや顔で得意げになるソニアを、改めてじっくりと観察してみる。
最初に思った砂時計の体形はそのままに、上下に分かれた緑色をした水着が、大きく膨らんでいる場所を覆っていた。覆っている部分はそれほど大きくなく、胸などはこぼれそうになっているが、それでも昼間見た時とは違ってきっちりと収まっていた。
「すごいね、似合っているよ」
「やったー」
喜んだソニアは、ラムリーザの転がっている所に飛び込んでくるのだった。
プール開きが楽しみになっちゃうね。
