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うらにわにはにわにわとりがいる

 

「ねぇラム、ムラムラしない?」

 昼休み、昼食が終わって二人きりになった時、ソニアはラムリーザに引っ付いてきて尋ねてきた。

 食後の散歩、昼休み二人きりの時は、いつも校庭をあてもなくぶらついているものだった。

「せんよ」

 らむらむらむらむ言ってるんじゃないと思いながら、ラムリーザは短く答えた。

 しかしその足は、無意識のうちに学校の裏山へ向かっていた。

「やろうよ、ラムラムラムー」

 ソニアはらむらむ食い下がるが、ラムリーザは一言「やらんよ」と答えるだけだった。

 裏山への入り口に到着すると、ニバスに命じられて見張りをしている生徒と鉢合わせる。ニバスとは、ハーレムを築き上げるのが好きな先輩だ。

 ラムリーザの顔は、ここでは知れ渡っているので、ほとんど顔パス状態で裏山に入ることは許されるのだった。

「あまり学校でやるのはなぁ……」

「大丈夫、キンクリがあるよ」

「ユコみたいな事言うなよな」

 裏山のお気に入りスポット。川のせせらぎが聞こえる川辺に二人は座り、語り合っていた。

 

 その時、木の陰から一組の男女が姿を現した。男子生徒はじっとラムリーザを見つめている。

 ラムリーザは、その男子生徒に見覚えがあった。

「ひょっとしておめーがラムリーザか?」

 その言葉を発した男子生徒はウサリギだ。以前、レフトールとにらみ合っているのを遠巻きに見かけたことがあった。

「ウサリギか……」

 ラムリーザが小さくつぶやくと、ソニアは眉をひそめて不満そうな声を張り上げた。

「また襲われるの?! もう嫌! なんで次から次へとラムに付き纏うのよ!」

 ウサリギは、ジロリとソニアを睨みつけるが、牽制しているだけで今は手を出してくる気は無さそうだ。

 そりゃそうだろう。

 ここはニバスの管轄地、ウサリギもここは中立地帯と考えているようで、ここで争うことは無いはずだ。

 ソニアは、ウサリギと一緒に居た女子生徒を見て、さらに声を張り上げる。

「ちょっと! あんたフリールじゃないのよ!」

「えっ、この娘が?」

 ラムリーザは、以前レフトールがラブレターで罠を仕掛けてきた時の差出人の名前が、フリールだったことを思い出した。

 しかし、フリール自身は覚えていないのか、こちらに興味は無さそうにしている。

「行くぞ、ミュン」

「ん」

 ウサリギは早々と関わりあうのを避け、連れてきた女子生徒に声をかけてその場を立ち去っていった。

 フリールの事をウサリギはミュンと呼んだ気がする。それはあだ名なのだろうか、それともやはりレフトールの偽名なのだろうか。

 とにかくどっちでもいい。

 ラムリーザは、なんとなく疲れてしまい、やる気が無くなってしまった。何のやる気なのかは不明。

 それはソニアも同じようで、「抱いて、それだけでいい」と言って、ラムリーザに抱きついてくるのだった。

「ん~、おっぱい揉んだらやる気が出るかもしれんな」

 ラムリーザはそうつぶやき、ソニアの胸に手を伸ばしてきた。

「ふえぇ……」

 キンクリ警報――。

 

 ガサッ

 

 その時、茂みが揺れて、再び一組の男女が現れた。

 ラムリーザは、手を止めて現れた二人を見つめた。あ、この二人は――。

「チロジャル!」

 ラムリーザが名前を思い出すより早く、ソニアが女子生徒の名前を呼ぶ。以前偽造写真事件で、ラムリーザと校舎裏でキスしたことになっていた女の子だ。ということは、一緒にいる男子生徒はクロトムガか。

 チロジャルは、ソニアに大声で名前を呼ばれ、驚いたようにビクッと身体を震わせる。思わず逃げようとするが、クロトムガにすぐに手を握られてその場に留まる。

 ソニアもラムリーザの傍を離れると、チロジャルの手を掴んで引っ張っている。そんなにチロジャルが気に入ったのか?

 実際のところ、ソニアはチロジャルを気に入っている。

 リリスやメルティアに対して、ソニアを手玉に取られてしまい、遊ばれ続けている。しかし、チロジャルは気弱で大人しく、ソニアが主導権を握ることができた。そういった関係が、ソニアにとって嬉しくもあり、お気に入りでもあるのだ。チロジャルにとってはいい迷惑だが……。

 ソニアがチロジャルと戯れている間、ラムリーザはクロトムガと雑談をしていた。

 クロトムガの話では、チロジャルとやりたいのだが、家ではお互いに家族が居てなかなかできない。かといって、ホテルに行くような金も無い。

 このように悶々としていたところ、この裏山の存在をどこからか聞きつけてやってきたというわけだ。

「ひゃあん……」

 チロジャルの甘いあえぎ声が聞こえた。ソニアとチロジャルの戯れは、怪しげな方向へと進んでいるようだ。

「クロトムガ、あの時はソニアが騒ぎ立てて悪かったよ」

 ラムリーザは、クロトムガとゆっくり話す機会が無かったので、今この時を利用して偽造写真騒ぎの事を話した。

「いや、写真部に嵌められただけだよ。こっちも荒っぽく対応して悪かった」

「ああ、そういえば発端は偽造写真だったね。ところで、手は大丈夫だった?」

 事件の日、激高したクロトムガに掴みかかられた時、ラムリーザは力ずくでその手を引き剥がしたことを思い出した。

「手? ああ、あれか。あの時は痺れてやばいと思ったけど、夜までには痛みは引いたよ」

「そうか、それはよかった……」

「気にしているみたいだけど、何かあったのか?」

「ん~、あの後、レフトールに大怪我させちゃってね……」

「えっ? あのレフトールに? って、そういえば顔とか手とかすごいことになってたな」

 クロトムガは、レフトールと同じクラスなので、レフトールの事はよく知っているようだ。

「レフトールに絡まれたときは、こっちも必死だったから加減できなかったけど、これからは加減を考えなくちゃね」

「それはそれですごいと思うぞ。あのレフトールをあそこまでやつけるなんてな。……って、チロジャル? 何やってんだお前ら!」

 ラムリーザと雑談していたクロトムガは、ようやくチロジャルの異変に気がついた。

 ソニアはチロジャルのミニスカートの中に手を突っ込んでいて、チロジャルは時折身体をビクビク震わせている。

「おっ、おいっ、あれっ」

 クロトムガは動揺してしまい、チロジャルを指差したまま口をパクパクとさせてラムリーザに何とかするよう促した。

 ラムリーザは、やれやれと思ったが、気を取り直してチロジャルに助言を与えることにした。

「えーと、チロジャルさん? まだ気力が残っていたら、ソニアのおっぱいの先端をひねり上げてごらん。ブラウスはだけているから、手を突っ込むのは簡単だよ」

 チロジャルは、勇気を振り絞って涙目で反撃に出た。ラムリーザに言われたとおり、ソニアのブラウスの間から手を突っ込んで――。

「ふっ、ふえぇっ……」

 ソニアの攻めが止まったので、チロジャルは先程までのお返しだとばかりに、ソニアの胸をフニフニ、フニフニ、フニクリ、フニクラ――。

 キンクリすべき?

「さてと、そろそろ僕らも遊ぶか。二人のあえぎ声を聞いていたら、その気になってきたよ」

「だな、俺もそんな気がしてきた」

 ラムリーザとクロトムガは、お互いに顔を見合わせてクスッと笑う。そのまま二人とも立ち上がり、ソニア達の方へと向かっていった。

 川辺には、テーブルみたいになっている丁度いい大きさの岩が転がっていた。

「はい、二人ともお遊びはそこまでね。向き合わせたらおもしろいかな。そこの岩に手をついて、後ろを突き出して」

 ラムリーザは、ソニアとチロジャルを誘導して、お互い向かい合わせたまま岩に手を付けさせる。

「クロトムガ……、優しくして……」

 チロジャルは、この期に及んでクロトムガに懇願する。まだあまり慣れていないのか?

「それは流れる風と、お天道様次第だなぁ」

 クロトムガは、かっこつけたようなことを言って、チロジャルの腰を掴んだ。

 それに合わせて、ラムリーザもソニアの腰をガッと掴む。

 そして二人は同時に――、キンクリ。

 
 
 
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