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Lカップにまで成長した脅威の風船おっぱいお化け

 

 今日の体育の授業は、年始めの身体能力テストだ。

 ラムリーザは去年はソニアと二人で組んで回っていたが、今年は仲間が増えてみんなで集まってわいわいと楽しみながら、それぞれの科目をこなしていた。

「ソニアまた今年も勝負するん?」

 授業が始まる前にしたラムリーザの問いにソニアは「もちろん」と答える。ソニアはラムリーザと勝負する時には、ハンデは要らないというからたいしたものである。ソニアにとっては、ハンデがあったから勝てたとか、ハンデがあったのに負けたとか、そういうのが単純に嫌なだけである。それでも種目によってはソニアが有利だったり勝てたりするのでいい感じだったりする。

「そういえばラムリーザは握力が異常だったな、今年もまた強化されたのか?」

 去年はこの場に居なかったジャンが、リリスの方をチラチラと見ながらラムリーザに話しかけてきた。

「あ、俺もそれ知りたい」

 これも去年は居なかったレフトール。彼はラムリーザの握力で一度酷い目にあっているから、なおさら知りたいのだろう。

「ほらよ、測定器持ってきた」

 リゲルの持ってきた測定器を受け取ったラムリーザは、まずはソニアに計らせようと渡そうとするが、ソニアは妙に不機嫌だ。この不機嫌さは、身体測定が始まってからずっとだった。

「どしたんソニア? 今年も去年と同じくこの種目から始めるぞ」

 ソニアは、この種目では負けるのが分かっているから不機嫌なのか?

「実は俺もそれなりに強いぞ」

 レフトールは、ラムリーザがソニアに差し出した握力計を横から奪うと、思いっきり握り締めた。

「ほらみろ、74kg。リゲル、お前よりは強いだろう?」

「ふっ、脳筋風情が力があるからってでかい面しているな」

「お、俺が脳筋だったらラムさんは何なんだ?」

「お前のご主人様だろ?」

 リゲルにやりこめられて、レフトールはぐぬぬ、と呻く。

 レフトールの次にユコが測定に入り、続いてリリスが測定する。

「はいソニアの番」

 改めてリリスから握力計を差し出されたソニアだが、プイと顔を背けてしまった。

「何が起きた? なんでソニアがそんなに不機嫌になっているんだ?」

 脈絡もなく反抗的なソニアに、ラムリーザは少し心配になってきて、今日これまでのことを思い返してみた。

 今朝起きたときは、とくにいつもと変わりはなかった。登校して、体育の授業が始まるまでもいつもと変わらなかった。現に始まる前は、今年も勝負だという話になっていたはずだ。それで授業が始まって、最初に身体測定を行なってから体育館に集まってから、この調子である。

「身体検査で何かあった?」

 ラムリーザが思い当たるのはそのぐらいだった。

「あ、そういえば面白いことがあったわ」

 リリスは妖艶な笑みを浮かべてソニアの一点を見つめながら言った。

「言うな!」

 ソニアは怒ったように制するが、リリスは気にせずに言葉を続けていった。

「すっごいのよ、ソニアのおっぱい、103cmで驚きのLカップ」

 ユコは思い出し笑いをし、ソニアは「うるさい!」と怒鳴りつけた。

 要するに、また膨らんだわけだ。去年一年間で、5cmのバストアップはたいしたものだ。カップ数と言えば二段階も大きくなっている。

「103cmのLカップ様、くすっ」

「Lなんて言ったら、なんだか新世界の神に対抗する探偵みたいな響きですのね」

 リリスとユコの二人組みにからかわれて、ソニアはギリリと歯軋りする。

「そんなに怒るな安心しろ、俺の胸囲は104cmだった。お前よりでっかいぞ」

 そう言ったレフトールは、喧嘩慣れしているし子分を大勢率いた親分、説得力のあるガッシリとした肉体でかなりガタイは良い。

 だがこの場合、全然慰めになっていないのが残念なところだ。

 そんな困った様子だが、ラムリーザはそれを眺めて改めて思った。ソニアとリリスの側にユコも居る。やはりこの三人が揃わないと、賑やかさも半減だ。

 気がつくと側にリゲルの姿がない。周囲を見渡すと、ソニアやリリスの茶番劇に興味の無いリゲルは、ロザリーンと組んで他の種目の測定に向かっていた。

「しっかしよ、去年はラムリーザがわざわざ写メで送ってくれたブルマニーソだけどさ、こうして生で見ると絶景格別ですなぁ」

 とたんに、むっとした顔でラムリーザの顔を見つめるユコ。いや、僕を睨みつけられても困るとラムリーザは思った。それにジャンはこういう奴だった、相変わらずエロオヤジっぽいところがある。

 リリスは体育館ステージ脇の階段に腰をかけると、わざわざ足を高くあげて組み替えなおして見せつけてくる。またリリスの誘惑が始まった。

「リリスもはしたない、ジャンさんもエロいですわ。ラムリーザ様の親友はとんだエロ助ですのね、見損ないましたわ」

「僕は違うよ……」

 なんで自分が責められるのかわからないラムリーザであった。

「ふんっ、素足のほうが絶対いいのに。ラムもそう思っているはず」

「勝手に決めないでくれ」

 ジャンのせいで、ラムリーザは居心地が悪くなってしまった。リゲルに合流して三人で測定を進めるか? などとも考え始めてしまった。

「あのさー、靴下なんかどうでもいいから、ラムさんはよ握力計ってくれや」

 レフトールに話題を転換してもらって、ラムリーザはしめたとばかりに流れに乗ろうとするが、残念ながらリリスに邪魔をされてしまった。

「そうね、目標103kgをめざしてみたら良いと思うわ」

「なんやそれ」

「ラムリーザとソニアで勝負するんでしょ? ソニアは103だから、ラムリーザも103を出さないとダメなのよ」

 ソニアは黙ってブルブル震えている。いかん、怒りが爆発する限界だ。

 ラムリーザはソニアの気を紛らわすために、握力計を差し出す。ソニアはそれを受け取ると、怒りに任せて思いっきり握りこんだ。結果は40kg、女子にしては力がある方だ。

 リリスはむっとしてソニアから握力計を取り上げた。とりあえず負けたくないようだ。

 しかしリリスの結果は38kg。ソニアには少し負けたが、それでも十分力のある方だ。2kgの差は、ソニアの怒りのパワー分勝ったということにしておこう。

「なんだ、リリスよっわ」

 ほんの小さな勝利を得て、ソニアの機嫌が少しだけよくなる。しかしリリスは負けていなかった。

「参りました、Lカップ様には敵いません」

 降参宣言に見えて、しっかりと煽ってくる。さらに、「さあラムリーザ、103kgを目指してね」と結局話を元に戻してしまった。今日はとことんソニアのバストサイズをからかってくる。いや、しばらくはこのネタで続くかもしれない。

「103も出たらこえーよ」とレフトール。顔面と指を潰されたこともあるからその恐怖には説得力がある。

「でもソニアは、その103の風船おっぱいお化け」

「俺は大きい胸が怖いから、部屋に投げ込まないでくれよな」

 リリスとレフトールの会話は、ちょろっと聞いただけでは意味不明の領域に入っていた。

「それじゃあ代わりにおまんじゅうを投げ込もうかしら?」

「103cmのおまんじゅう?」

「なにそれ怖い」

 リリスとレフトールの謎のやり取りの一方で、とうとうソニアは爆発してしまった。

「103、103うるさーい! ふええぇぇ~ん!」

 またしてもリリスに泣かされてしまったソニア。ラムリーザは溜息を吐き、ソニアの肩を抱いて握力計を片手にその場を立ち去って行った。

 残されたのは、「やりすぎですわ」と嗜めるユコと、ペロリと舌を出して反省のそぶりを見せないリリス。

 レフトールは子分のマックスウェルと合流して立ち去り、ジャンはリリスの姿をなんだか嬉しそうに眺めているのであった。

 

 ………

 ……

 …

 

 その日の夜、ラムリーザはソニアを連れてメイドのナンシーの所へと赴いていた。

「あらラムリーザ様、ソニアを連れてどうされたのですか? あっ、またソニアが何か悪いことをしたのでは?」

「いやいやいや、ソニアがすぐ問題起こしたと決め付けるのはよくないよ。いや、結構問題起こすけど――、あいやいや、今日は違うよ」

「それなら安心しました。しかしなんですその格好は!」

 ラムリーザは、ソニアをあえて上半身だけ制服のブラウスを着せたまま連れてきていた。103cmの胸は大きく膨れ上がり、上二つのボタンは留まらず、三番目のボタンも今にもちぎれそうだ。

「そうなんです、この格好をなんとかして欲しいと思って連れてきたんです」

 ラムリーザがナンシーに説明している間、ソニアは顔をそむけていじけている。

 ナンシーは、昨日と同じようにボタンを留めようとするが、やはりどうにもならない。

「全くもう、なんであなたはそう極端に偏った成長をするのですか!」

 母親に責められて、ソニアはますますいじけてしまう。

「まあまあ押さえて押さえて、育ったものはしかたないので、今後どうするかが大事なんだよ。そこで、ソニアの体型に合ったブラウスを特注できないかな? 乳袋でもなんでもいいからさ」

「なるほど、わかりました。サイズの合っていないブラウスを無理やり着ているのですね、しょうがない娘」

「いや、普通のブラウスだとサイズを合わせるのも困難な体型なんですよ」

「ではソニア、ちょっとそれを脱いで下さい、今から測ります」

「やだ、もう今日測った」

 ソニアは、ラムリーザの後ろに隠れてナンシーの手から逃れた。

「ではその結果を今言いなさい」

 ナンシーは促すが、ソニアは恥ずかしそうに黙ったままだ。そこでラムリーザは、ソニアの両肩を掴んで励ます。

「ソニア、ここで言わないとずっとその無理なブラウスを着続けることになるんだぞ」

 ほんとのことを言えば、去年からそうしてあげればよかったのだが、最初は引越しとか新しい街での生活でいっぱいいっぱいで、ソニアのブラウスのことまで気が回らなかっただけだ。

「103……」

 ソニアは、蚊の鳴くような声でサイズをつぶやき始めた。

「次は?」

 ナンシーは、そんな数字は気に留めないようで、先へと促す。

「57cm、91cm」

 ソニアは、胸のサイズに比べて、腰と尻のサイズは平気な感じで答えた。

「Lカップぐらいですか?」

「そっ、そうよっ……」

「わかりました、そのサイズで普通に着られるようなブラウスを数着仕立てておきます。それまではそのはしたない格好はどうします?」

「ん~、セーターでも着せる? でも制服でセーターは指定されてないから、また風紀委員に怒られそうだな」

「その格好の方が十分風紀を乱していると思いますよ」

「まぁなんとかする、どうすればいいかわかんないけどなんとかするから、ナンシーは新しいブラウスよろしくね、というわけでおやすみ~」

 ラムリーザはそう言い残して、ソニアを連れて部屋へと戻っていった。

 今夜はソニアが落ち込んでいるので、寝る前に景気付けで一発運動しておく必要があるな。そう考えながら、ラムリーザはソニアの肩へ手を回して抱き寄せた。

 部屋にたどり着く前に、妹のソフィリータとすれ違うことになった。

「リザ兄様、ソニア姉様、今夜もお楽しみですか?」

「そういうことは言わないの」

 ラムリーザは、他に誰も聞いていないだろうな、と周囲をきょろきょろしながらソフィリータを制する。

「今度私も混ぜてくださいね」

「ちょっ、おまっ――」

「冗談です、それではおやすみなさい」

 ラムリーザは驚き引きつった顔で、自室へと戻っていくソフィリータの後姿を眺めていた。

 その後、二人は部屋に戻ってから早速――。

 
 
 
 
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